最近読んだ本の感想

日記を書こうとするとどうも愚痴っぽくなりそうなのですが、ぜんぜん日記を書かないのも寂しいので(私が)、無難に最近読んだ本(ほとんどまんがだけど)の感想でもかんたんに書くことにします。最近のからさかのぼっていきます。

お兄ちゃんと一緒 第6巻 (花とゆめCOMICS)時計野はり

血の繋がらないお兄ちゃん4人と暮らす女の子の話。最初は「家族」の話だったのが、高校二年生になってもあいかわらずロリ顔で色気のない桜ちゃんは、女装が似合って女言葉の恋愛小説家シスコン長兄をオトすことができるかっ??という話になってます。お兄ちゃんもだいぶテンパってるのですが自覚はない模様。桜を好きな同級生男子が再登場、というわけで、当て馬になるパターンなんですが、桜を好きな同級生男子は他にもずっとちらちらと登場しているというのに当て馬にすらなれないとはさすがヘタレ鈴木君。
作中時間が現実時間と同じに進行している、というのが珍しい(同じ年を繰り返してもいない)。同時進行って、他には二ノ宮知子の『のだめカンタービレ』しか思いつかない。

らぶ・ちょっぷ! (1)森生まさみ

変人大集合な三ツ葉学園を舞台に、毎回主人公が交代するオムニバスシリーズ。主人公に毎回からむのは、ロケットパンチを撃つ一年生女子「柊まめ」。癒しロボ。
高校デビュー少女と腹黒美少女副生徒会長がよかったです。好き。

シュガー・ファミリー (花とゆめCOMICS)萩尾彬

ツンデレ女子高生と、両親の再婚で兄妹になった妹萌え変態お兄ちゃん高校教師の話。ってかなにこの義理のお兄ちゃんブーム(『らぶ・ちょっぷ!』でも、まめのオーナーは兄、ということになっている)。
とりあえずお兄ちゃんがひたすらウザいのがポイントでしょうか。……いや、ウザいって知ってて買ってるのですけどね私は……(いや、なんであれ、コミックスが出たら買おうと思ってた作家さんだったので)。

クロサギ 11 (ヤングサンデーコミックス)』黒丸/原案・夏原武

この作品については前に書いてますね。で、また書くかもっていって放置してますね。
いや、うーん、クロは、お父さんのことはどう思っているのかな、と、考えていたのです。お父さんは、詐欺の被害者ではあるんだけど、クロからしてみれば加害者なのである。母と姉を殺し、父を殺し、自分を殺そうとした、加害者。詐欺のことにしたって、親が騙されても、子どもはいっしょに詐欺の被害者になるという感じではないだろう。親がきちんとした庇護者であってくれない、というのは。でも、その当人は死んじゃってるわけで。彼の心に渦巻いているはずの感情はどうなってしまうのだろう、と、思う。
詐欺の被害者やその家族に、優しいことばをかけたり親切な(?)助言をしたりすることもあるんだけど、ほとんど軽蔑の目を向けることもある。この巻でもそう、ちょっと乱暴なことをやってる。おまえら、って言うのですね。目の前のひとりの被害者に向かって。クロにとっても「敵」って、シロサギだけですむのかな、とさえ、思えるのだ。父親を騙した詐欺師を追うのは、代償行為なんじゃないかって……。
それはそうと。

「法律は社会秩序を維持するためのもの。
 断じてあんたや、あんたの家族を守るためのものなんかじゃねえ……!!」

そう、そうなんですよね。刑の軽重、とくに死刑問題なんかで「被害者感情の慰撫」とかいうことばが出てくると、みょうな気分になるのだ。べつに被害者のために刑を執行するわけではないだろうに、と。まあ、「みんな」が、被害者感情の慰撫を重要に思っていて、それで慰撫されるだろうと思っていれば、被害者のために執行する、ということになるのかもしれんが。
自分が法律を守って、それによって他のみんなも法律を守ることを期待して、秩序が保たれ、治安がよくなれば、それは、犯罪に遭う確率はさがる。でも、どんなにさがったって、「この私」が犯罪にまきこまれるかどうかっていうのを考えると、犯罪に遭うか、遭わないか、どちらかなのである。0.1パーセント犯罪に遭遇するとか、そういうことにはならない。遭うか、遭わないか、だ。どんなにおこないをよくしていても、災禍に遭うときは遭うのである。逆に、どんなにおこないが悪くても、報いを受けないときは受けない。――と、いうことを考えると、クロだって社会秩序が維持されていなければ「仕事」できないにも関わらず、秩序を維持する側には貢献しない(むしろ維持しない側に貢献している)、ということも、合理的と評価できる。のか?
ところでこの作品はもうちょっと時間が経ったほうがいいんじゃないかなー。氷柱ちゃん(ヒロイン。検事志望)がいつまでたっても大学卒業しないー。季節は巡っているのにっ。

Rozen Maiden(4) (バーズコミックス)PEACH-PIT

ひきこもり中学生桜田ジュンが「ローゼンメイデン」という人形たちの戦いにまきこまれる話。あくまでもジュン君が主人公、というスタンスで読むことにしている、ので、この巻はよいですね。
てか、腕がとれた人形ってエロいよな。

告白倶楽部 3 (花とゆめCOMICS)山本修世

3巻、とはいっても、「告白」をテーマにした恋愛モノシリーズ、というだけで、登場人物も舞台も共通するところはありません。たいへん王道な「少女まんが!」です。ちと気恥ずかしい……。
この人の作品では、『飛べない僕らは風を見る (ジェッツコミックス)』に収録されている「地図」という初期の作品がいちばん好き。

夜桜四重奏?ヨザクラカルテット?(1) (シリウスKC)ヤスダスズヒト

この巻ではまだぜんぜん話がはじまってないみたいで、ちょっとわかんないですね。女の子可愛い。

フルーツバスケット (21) (花とゆめCOMICS (2994))高屋奈月

次巻完結、ぐらいかな、と思ったけど、まだ連載やってるみたい。
生きづらそうにしてる人たちが、自分の居場所、とか、生き方、とかを、見出していく話、で、主人公の透君(←女の子です)はほとんど祝福を与える天使のような役割をしていたのですが、自分自身のことに関しては、幸せになることを禁じているようなところがみうけられてて、はがゆかったのです。そこを踏み出せたようなので、まわりがどんなにごたごたしてようと終わりに向かうな、と。まわりもおさまってきましたけど。
が。この巻ではなんといっても由希君がえらい。

邪魅の雫 (講談社ノベルス)京極夏彦

分厚い。分厚いよ。すみません話の要約ができない……。井の中の蛙大海を知る、みたいな? いやまあ、真相、というか、動機は、ある意味すっごくふつうなんだけど、盲点だよなー……。
でも、それでも、「私」が死んだら世界は終わる、と私は思う。私が見える世界が、世界のすべて。私が世界の一粒にすぎない、という気づきさえ、私の世界のなかのこと。

魔人探偵脳噛ネウロ 6 (ジャンプコミックス)松井優征

弥子ちゃんがいったん沈んでから発奮するの巻。……いや、私は彼女が主人公なつもりで読んでますから。勝手に。なので、全体のあらすじを説明するなら、「謎」を喰う魔界生物に目をつけられた弥子ちゃんが隠れ蓑の探偵役をやらされながらも「進化」する話、となる。……けど、実際どうなんだ……?
あ、あと、犯人のカオがとても「よい」作品ですね。

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか (ハヤカワ文庫NF)』スーザン・A・クランシー

この本についてはすでに書きました。けど、もうちょっと、ひっかかってるところがあって。

わたしたちは科学の時代――データや事実や実験や専門家の時代――に生きている。疑似科学の信奉者がどんどん増えているという事実は、多くの人にとって科学は明らかに役に立っていないことを示しているのではないだろうか。

科学には、理論的な判断や、論拠や、証拠に必要とされる厳格な基準や、公正さが欠かせない。この性質のおかげで、科学は知識を集めるためのもっともすぐれた手段になっているが、同時にこれが、多くの人たちを科学から遠ざける原因にもなっている。科学の手法は、堅苦しすぎて近寄りがたいのだ。

えーと、「科学の考え方」や「科学的手法」と、「科学的手法による成果物」は、分けて考えられるのではないか、分けて考えたほうがいいのではないか、とか、思ったのですが、考えがまとまらない……。
本自体はおもしろいので、エイリアンに興味のない人は読んでみてもよいのでは、と思いますよ。

ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)矢崎存美

ぶたぶたさんについても以前に書きましたが、まあ、ひとことでいうなら、可愛くて頼りになるぬいぐるみのおじさんです。
今回のぶたぶたさんはホテルの「バトラー」。執事。従業員の教育担当だそうです。ぶたぶたさんに出会う人って、内心パニクりながらもぶたぶたさんがふつうに話しかけてくるのでふつうに応答してしまう、というパターンが多いのですが、今回、おもいっきりびびりまくる人が登場。珍しいパターンです。可愛いのに、もったいないなあ。さすがホラー作家、というべきか。
ホラーといえば、これ、もともとは「異形コレクション」に載ったものだそうで、ええっ、ホラーアンソロジーでぶたぶたさん……っ?? どんなに浮いているか確認するためにその『夏のグランドホテル』を買ってしまった。