持ちもの

莉英には、家が広いことも狭いことも、どちらが立派で、どちらが貧しい、という観念がない。ただ単に、持っている道具を収納し、管理する面積が必要なだけだ。
森博嗣月は幽咽のデバイス』(ISBN:9784061821095

「ああ、荷物は住処の面積にあわせてウィルスのように増殖すると言うからな。いいじゃねえか、だったら全部捨てちゃえば」
西尾維新『難民探偵』(ISBN:9784062159418

 人が健康的に生きるのは、ふさわしい持ち物の量があるような気がする。多すぎても少なすぎても不都合だ。一生をくるわせずに生きていくのにちょうどいい持ち物の量をこれと言い切ることはできないにせよ、もしそれを知ることができれば、人は最も気を楽にして生きていけるような気がした。
紙上ユキ『金物屋夜見坂少年の怪しい副業』(ISBN:9784086800501


モノを買うお金と、それを維持する空間と、管理する能力と気力と、それにかかる時間でいったら、いちばん不足しているのは能力と気力です。ただし、やる能力とやる気のどっちなのかはわかりません。
いちばんあるのはお金……(※客観的には、現代日本基準で貧困層です)。というか、どうも私、じぶんで買えないものを欲しいとはほとんど思わないらしいんですよね。私の趣味領域で高いものがあんまりないせいもありますが。……うむ。コレいいな、と思って値段を見て高いと思った時点で、まあいいや、になる傾向が。
あと、何年か前に気づいたんですけど、欲しい、っていうのと、買いたい、っていうのは別なんですよ……。なので、買い物欲かどうか、を意識するようにしてます。必ずしも衝動買いを否定するわけではありませんが、それで失敗するときって、たんに買いたいだけだった、ってことが多いようなので。買った時点で満足してしまってその結果の物品をもてあますケース。