大石圭『処刑列車』

ISBN:4043572107
上の質問に関連して?

「生まれる前に戻るだけのことだ。ただ、それだけのことだ」

無差別殺人者がこれから殺そうって相手に言っているわけですが。
電車がのっとられて乗客がどんどん殺されていく話。話、といえるほどの筋はない、いちおう犯人たちの動機らしきものが描かれはしますけど、それは蛇足。人が人を殺すのを、ただ淡々と見つめるだけの小説。悪意はあるけれど、人を殺すことがひどいことだ、という形では描かれない。