ねむい。

やっぱり寒くなるとよくクマに話しかけるようになりますねこんばんは。
朝でかけるとき、さぶいなあ、君、ふとんに入ってなさい、ってふとんをかけてやって、いちんちじゅうふとんに入ってられるんだから君はいいよなあ、とか話しかけるのです。脳内で。ぬいぐるみを羨むのって、ヒトとしてどうなのか……。まあ、うちのクマは羨まれて無邪気に笑うような天真爛漫な顔つきではありませんが。いや、たいていのぬいぐるみは、天真爛漫な顔じゃないか……。
このあいだから、なんかせねばなんかせねばなんかせねば!という気分が続いているのでとりあえず部屋を片付けている。っていうのは誇張で、そんなにあせってはいない。あせってはいないが、あせりたいような気分。というのか……まだ調子が狂ったまんま。
片付けているとはいっても、もとがもとなので、あんまり変わってない……。右から左に移動してるだけのような。ああ、そういう拷問がなかったっけ……。
インテリアの本も眺めてみたりしてたのですが、一分の隙もなく調えられた「実例」を見てたらなんともむずがゆくなってきたので、都築響一の『賃貸宇宙―UNIVERSE for RENT』をひっぱりだしてきた。が、こっちはこっちで別種のエネルギーが渦巻いてて、中てられた……。

 世の中には、もしかしたら定住型と移動型という2種類の人類が存在するのだろうか。建築雑誌や住宅雑誌で力のこもった住まいを眺めるたびに、僕は一種絶望的な思いに駆られる。カネがないとかローンが組めないとか以前に、そういう空間を作り上げようという意志も情熱も持てないのだ。毎月何十万円も銀行に支払うくらいなら、月5万円かそこらの安アパートを何軒も借りて、身ひとつで動き回っていたい。洋服を着替えるように、部屋に飽きたら気軽に住み替えてしまいたい。

む。私が「むずがゆい」のは、移動型だからってわけでもないと思う。秩序恐怖症か?? 移動型にあこがれはするけどめんどくさいので結果的に定住中。自分の「所有物」としての家には興味がないけど。
なんだろう、その部屋を調えた人の目が、どこに向いているんだろう、というような……いや、わかんないな。とりあえず、部屋を広く見せるには、とか、すっきり見せるには、とかの、テクニックを駆使した末の「凡庸さ」は、きらいらしい。自分が、そこそこ狭くて散らかってるほうが落ち着く、という嗜好の問題があるにしても。なんとも、あの、あーあー無理しちゃってー、みたいな。せっかく無理してるのに、でも無理してるからこそ、どうしようもなく「凡庸」っていう……それが、きらい。「凡庸さ」一般がきらい、ってことじゃない。