「おお、今こそ完成した! わが研究の全てを費やし、作り上げた殺人ロボ!」

アンハッピー - Log of ROYGB」経由で、「81歳のおじいちゃんが殺人ロボットを作って自殺 - GIGAZINE」。
私が思い出したのは城平京「殺人ロボの恐怖」(問題編解決編とも、ウェブで全文読めます)だったりするんですが、みなさんいろんなものを思い浮かべたようで、殺人ロボットってけっこうあるんですね。

『おのれおのれ、おのれ真鍋保! 
 くたばりかけのじじいとあなどるな! たとえこの身が朽ちようとも!
 亜衣の仇はとってやるからな、きっととってやるからな! 
 わが科学の力はきっと貴様を殺す!
 聞け、この音を!(金属製の何か重いものが高速で回転するような音がする)
 おお、今こそ完成した! わが研究の全てを費やし、作り上げた殺人ロボ!
 貴様を殺すために生み出した鋼鉄の巨人!
 身長二メートル十、体重一・五トン、自身で思考し、二足歩行をする!
 さらに左腕には鋼のドリルが装着され、その威力は十ミリの鉄板さえ貫くほど!
 いざ、遠くない未来!
 わが鉄人のドリルが貴様の頭蓋に巨大な穴をうがちに訪れるであろう!
 いかに屈強な者ども、警察のゴミどもに守らせようとも!
 ロボの鉄の歩みを止めることはできまい、鉄の体を壊せまい!
 真鍋保よ、せいぜい怯えるがいい、ハ、ハ、ハ!(荒々しく電話が切れる音がする)』

で、これを聞いた人の感想が、

「すごい。いかれきっててかっこよくさえあるね」
 正直、僕も同感だ。留守電に入っていたこの叔父へのメッセージを聞いた時、ブリキロボットのような、角ばっていて体にリベットがむきだしになっていて頭にアンテナが立っている(その上左手には強力なドリルまでついている)不格好な鉄人が、うちの邸の壁を壊し、警官隊の銃撃をなぎ払い、ギチギチと叔父に迫り来る痛快な様を想像して妙に嬉しくなったものだ。

正直、私も同感だ。
コレジャナイロボ
このお話は『小説スパイラル 推理の絆〈2〉鋼鉄番長の密室 (COMIC NOVELS)』に収録されてますが、これまた素晴らしいタイトル。城平京って、真顔でおおまじめに冗談みたいなことを言う感じの作家です。その冗談(みたいなこと)がまた、ふつうにおもしろくはないですが、ふつうじゃなくおもしろい……。