合わせ鏡の迷宮

土曜日にはまた金沢21世紀美術館に行ったですよ。主に写真を撮るために。
まあ、そんなわけで、ちょっとだるかったし(←兼六園もうろうろしてた)、有料エリアには行かなかったんですけど(混んでるから(ほんとうはそっちも撮りたかったけど、どのみち撮影不許可の展示品近くでカメラ持ってると注意されちゃうからな(っていうかまた注意されたんですが)))、無料のとこは見た。

なかなかおもしろかった。フォトモというやつ。

フォトグラフ(写真)+モデル(模型)からの造語で、写真を立体的に組み立てて3次元化する手法。写真に写るリアリティと自分の感じるリアリティのズレを解消しようするもので、写真としての仮想的な立体表現と模型としての現実的な立体感がそこに微妙に絡まり、より感覚的な立体風景が構築される。

……だ、そうです。
そういうことなので、私はこれを撮りたかったんですけど、残念ながら撮影ダメ、ってことで。帰ってからリンク先の画像を見て、ああ、おもしろいな、と思ったので、やっぱり自分でも撮ってみたかった。
写真に写るものは現実とは違う、っていうのが前提で。それは私も前にそんなようなことを書いたので、あー、やっぱり違うように見えるんだなあ、私の目がへんなわけじゃないんだな、と、安心したような(不安だったわけじゃないけど)。で、写真には写真の見方ってものがあるので、それを会得しなければちゃんと「見えない」んじゃないか、って……。
フォトモ、というものにも、見方があるのだろう、と思う。実物よりも写真のほうがリアルに見える、のである、私の目には。とはいえ、そのリアルも括弧つきの「リアル」かなあ。実物を見れば実物の建物や路地を感じさせてくれるだろう何か、に、写真では見える。そういう風に脳内補正がかかる。けど、実物のフォトモを見ると、なんかへんな模型っぽいもの、である。素で見ると。素で見ないようにするとどう見えるのか、ってのは、わからなかった。
あと、気になったのは、これは見る角度が限られているのではないか、ということ。真後ろから見てはいけないのはもちろんだけど、正面方向でもそれらしく見える角度は限られるのでは……と思ったんだけど、よくわからなかった。ああ、照明は、一方向にしか影が出ないように調整されてるようでした。それらしい影が出る照明の方向ってのも、限られてそうだ。
それから、フォトモフォトモをつくるとどう見えるんだろう、とか。まんがのなかでまんが家の描く原稿が出てくるとか、そういうノリで。入れ子。絵の中の絵、写真の中の写真、模型の中の模型。
そういえば、3体ぐらい?だけ、ふつうの模型もあった(ふつうの模型だったよなあ……)んだけど、あれはなんだったんだろう。


写真のほうは、前のときよりはずっとまともに撮れました。カメラのほうの設定はあいかわらずいじってないので、被写体とアングルを選んでいるだけなんだけれど。

……これなんか、そのまんまに写ってない例、だろう。こうは見えなかった。
右半分以上が鏡像なんですが、ぱっと見、よくわかんないんじゃないかな。私は知ってるので先入観ができてるから、この写真がどう見えるかってのが、わからないんだけど。
その場に立てば、鏡像か実像かなんて間違えるわけもない。


あと、写真で見ると、人の少ない静謐空間に見えるなあ……そんなことないんですが。金・土は夜8時まで展示室が開いてるので、それまでは混んでるし、場所によってはけっこううるさい。