ふつうに歩く

入江紀子のら (3) (アスペクトコミックス)』。

生き延びるにはコツがある。
堂々と、平気な顔で、当たり前だと思って歩く。

京極夏彦百器徒然袋 風 (講談社ノベルス)』。

 仮令何が起きようとも、美津子は自分を悲劇の主人公に貶めもしないし、幸運の寵児に持ち上げもしないのだ。常に普通なのだ。どれ程高低差のある道を歩んでいようとも、当人に自覚がなければ景色が変わる程度のものだ。彼女にしてみれば山も谷もない平板な人生なのだ。傍から登ったの堕ちたの云われても実感は湧かないだろう。