なぞ料理


21日ごろから、夏が行方不明になってしまってます。
ぜんぜん暑くないわけでもないんですが……。
それでも蝉的には支障がないらしく、じーじー鳴いてます。べつに、暑くなければ生きていけないわけでもないか……。というか、蝉は木にはりついているので、夏としては涼しいところにいつもいるのであった。


藤本強『都市と都城 (市民の考古学)』を読みました。内容のほうはさておき、「詳しいところはわかっていませんが、なになにであったと予測されます」、というような表現が何回か出てきて、あれっ?って思ったのです。過去のことなのに、予測なのか、っていうのが。これから「(過去に)なになにであった」とわかるだろうという予測、なんだろうけど、おもしろい時間感覚だな、って。5000年を「短い」と言ってしまうのも考古学者の時間感覚……。で、巻末に、かんたんな、5000年分、1000年間隔の年表があって、1000年を等間隔で記述しているのが新鮮だった。新しい年代ほど長くなる年表に慣れているので。こうしてみると、日本の「歴史」って、短い。
5000年前っていうのは、最古の都市が成立したと思われる頃、だそうで。西アジアやヨーロッパと、東アジアの都市の成り立ちの違いというのがテーマです。西アジアでは地域による気候や地形などの違いが大きいので、はやくから分業(農耕の地域と放牧の地域、という風に)が成立し、そのための交易が盛んになって、まず「市」ができた。そこに「都」の機能があとからくっついて「都市」になる、と。東アジアでは地域差が少ないのでそれぞれ自給自足できるから、交易の必要がない。なので、皇帝やら王様やらが上からどーんと「都」をつくってしまう。そういうのを「都市」じゃなく「都城」って呼んでます。都城は、「都」を動かすと、田畑や草原に戻ることが多いようです。「市」主導の都市は、「都」を動かしても交易の要は残るので、そのまま栄える。
そういえば南北アメリカはスルーでしたな……南米にも古くから文明があったんじゃなかったっけ……。
ちなみにエジプトについては、ようわからん、って書いてあった。あれはあれで特殊な土地なんだそうで。ピラミッドやらでかいのが残ってるから、あれっ、って思ったんですが、ふつうの庶民の家なんかの遺跡はほとんど見つかってないんだそうです。