ベイリー君について・その4

心をもつ人工知能について。(→その1その2その3。あんまり話は続いてないけど。)
というか、今日は、家庭用ロボットについて?
柳原望の『まるいち的風景』というまんががあります。「まるいち」という家庭用ロボットをめぐる話。手元にないので(あるのかもしれないけど発掘できない)、例によって私のまったくあてにならない記憶で書きます。
まるいちは、二足歩行はするものの2頭身ぐらいで、人間に似せてはいません。喋らないし、無表情。ただ、人のマネをします。買ったときには何もできないので、掃除はこう!って目の前でやってみせて、動作をおぼえさせるのです。つまり、料理できない人のまるいちは、料理できない。せつない。けど、それがポイントなのだな。長く使っていると愛着がわく、というあざとい仕組み。
そんなまるいちにライバルが! 喋って表情豊かで、料理もうまいロボット君。で――あ、ちょっと間を忘れました。けっきょく、美味しくなくてもお母さんのハンバーグがいい、って子どもは言うのだったか。まるいちだったら、「お母さんの味」を再現できます。で、家での会話も、ロボットとじゃなくて家族でしてくださいね、と。だからまるいちにはそういう人間らしさはないのだ、と、開発者の女の人は話すのでした。なんだけど、本音は、「無表情のほうが可愛いんですっっ」、ということなのであった……。
……いろいろと示唆的なエピソードです。
とりあえず、私も、無表情のほうが可愛いと思います。うん、可愛いメイドさんアンドロイドよりも、まるいちみたいなのほうがいいな。へたに人間ぽいのがうちにあったらこわいっす。うーん、スマイル0円のおねえさんにしても、その笑顔を見て彼女の内面を考えたりなんてぜんぜんしないけど、それでも人間だってわかっているから笑顔を笑顔として無視できる、というのがある気がする。……いや、どうだろう……。
そして、無表情なまるいちにはもちろん内面だってない。そんなものを妄想させはしない。それでも人は勝手に愛着をもてるのだ。心なんかないって、わかってる、それでも、わざわざ擬人化したりする。……無表情好きは日本の文化か、って気もするけど……。