本気でこわい

思い出せる限りで、本気でこわかった読書体験が、小野不由美の「悪霊」シリーズの、増築し続けて隠し部屋があったりむしろ壁を壊すしか入れない部屋があったり窓の外が部屋になっていたり一階を歩いてたはずがいつのまにか二階になってたり、そんなウィンチェスター屋敷みたいな屋敷で、ラスボス(?)に遭遇するシーン。
主人公は無事にすむ、というお約束があってさえ安心できなかった。お約束は破られることもあるけど、発行レーベルからしてそこまでひねくれたことはしないだろう、というか、そのあとにもシリーズ続いてるし……っていうの、頭からふっとんでたな、たぶん。
いま読んだとしてもあんなにこわいんだろうか。たぶん十五年ぐらい前に読んだ。リライト版が出ているみたいなので、読んでみようかな。
なんか、「きもちわるさ」というのを伴わない恐怖だった。「不気味さ」さえなかったかもしれない。
あと、増築し続ける屋敷、というもの自体、私の琴線に触れるものがあるらしい。いい意味なのかわるい意味なのかわからないし、それと恐怖がどう関係するのかもわからないけど。