今日のあたま

職場で、ひとの名前が思い出せなくて、うんうんうなりつつ、でもあそこの貼り紙に書いてあるはずだから、それを見たらすっきりするはずだ……(べつに名前を呼ぶ必要があったわけではなく、わからなくてもやもやしていただけである)、と考えつつ、忘れて貼り紙をスルーしたんだけども、あっ、スルーしちゃった、と気づいたあとで、名前を思い出した。のは、「思い出した」のか、じつは貼り紙を見ていたのか、どっちだ。


本を読んでいたら、「テレビジョン」って単語があって、それを見た途端、テレビのない世界で生きていた人々がテレビに接したときの、これはなんだ、という戸惑いとか違和感とか、異物感が、体験していないのに実感を持ってぶわっと広がって、びっくりした。それは私の現実ではないのに、現実感がある。でもほんとうに理解できるはずもない、過去。


私のあたまは私の知らないところではたらいているな、という話。