キャベツ

これは、物の材質は重力とは関係がないようだとするニュートンの重力法則に少し似ている。キャベツでも国王でも何でもよい。引力を決定するのは、質量だからだ。
ジョン・D・バロウ『無の本 ゼロ、真空、宇宙の起源』(ISBN:9784791767366

 ところで、この反転によって都市の埋蔵が起るのであるが、住居にこうしてもちこまれる虚構性は、住居をさしあたり、「本気にできない」住居にする。生活行為が、一種のふりの行為になる傾向がある。建築というより、舞台装置に近いのではないだろうか。しかし、そのフィクショナルに思われる行為が、実はリアルなのだと、私は確信する。今日、無数に建てられている住居の形式、日本の伝統からおよそかけ離れながら何畳間という呼称と床の間をもつ哀れな部屋と、あけると隣家の便所の窓が見えるガラス窓と、ソファを置くと立つ場所もなく、調理台の上のキャベツが見えているリビングルームからなる住居形式こそ、実は、制度が生んだ繁殖力あふれるフィクションなのだ。このわかりやすい話、通俗読物の生活を私たちはただリアルであると錯覚しているにすぎない。
原広司『空間―機能から様相へ』(ISBN:9784006001902


おまけ。

「コロッケ男子はあくまでコロッケを魅力的に見せる言わばキャベツの様な存在
 その点イケメンすぎずあか抜けない片野さんは最高のキャベツです!」
「いや人間っす」
稲井カオル『うたかたダイアログ』1巻(ISBN:9784592213666


さらにおまけ。

「この世には…
 『普通のコロッケ』と… 『譲れないコロッケ』があるんだ――――!!」
ふじもとゆうきキラメキ☆銀河町商店街』6巻(ISBN:9784592181255