ベイリー君について・その3

(→その1その2
さて、ハゲの話をしましょう。

  • 1 髪の毛が10000本ある人はハゲではない。

とします。実際、何本ぐらいあったらハゲっぽくないのかよくわかんないけど。

  • 2 ハゲでない頭から髪を1本抜いてもハゲではない。

とします。
で、1番と2番から、

  • 髪の毛が10000本ある人はハゲではない。
  • 髪の毛が9999本ある人はハゲではない。
  • 髪の毛が9998本ある人はハゲではない。
  • 髪の毛が9997本ある人はハゲではない。
  • 髪の毛が9996本ある人はハゲではない。
  • (中略)
  • 髪の毛が0本ある人はハゲではない。

というわけで、ハゲの人なんてこの世には存在しない! よかったですね。……じゃなくて。
2番を修正します。

  • 2' ハゲでない頭から髪を1本抜くとハゲ度が0.01度上がる。

このハゲ度は、抜けるのがどの部分なのか、とか、髪質とかでも変動します。ハゲ度70だとハゲなのかどうかびみょうなラインだけど、ハゲ度100では真正ハゲ。ハゲ復活! よかったですね。……なにが。


いやいや、ハゲの話じゃなくて、ちょっとの差とみえるものでも、ちゃんと違いはありますよ、計算に入れましょうね、という話……?
心をもつ人工知能は洗濯機の延長上にあるけれど、それでも洗濯機と心をもつ人工知能との間には差がある。心をもつ人工知能を拒否するなら洗濯機も使わなければいいのに、とはいえない。
でも、「高度になったAIBO」は、「びみょうなライン」、かと。「びみょうなライン」は、ある。


ハゲ頭論法は伊勢田哲治疑似科学と科学の哲学』で読んだのでしたが、部屋のどこに埋まっているのか発掘できないのでてきとーです。
ところで、「ハゲ」って、人のことを指すのか頭のことを指すのか。ハゲの人?ハゲの頭の人?