夢日記:異次元図書館放浪編

ばーちゃん家は謎のからくり屋敷への扉。座敷の奥に台所があり、その横に小部屋がある。小部屋の襖を開いたら、吹き抜けがあって、地下にある本棚がかいま見える。白っぽい木の色。床も壁も手すりも梯子も同じ色。ぴっかぴかだ。できたばっかりで、棚は半分も埋まっていない。誰のものかは知らない、けれどプライベートな空間。感嘆して足を踏み入れる。プライベートなところだけど、その先があるのを知っているから。薄紫のドアがある。劇場とかの、ホールの扉みたいな。その先の本は好きに見ていいものだって知ってる。私設図書館だ。
そこはたぶん、六階か、七階か……これから下に降りていって探検するのだ。本棚の色も濃く、本がずらりと並ぶ。でも、背表紙の文字は読まない。そこにいる人を見る。図書館にいるとは思えない、本棚を見ずにすたすたと歩く人がけっこういるのだ。けれど、その人々は透けているようでよく見えない。どこかへ向かう、通路でもあるのだ。広い、吹き抜け。そこを渡る廊下。
いつのまにか一階にいる。カウンターみたいなところがあって、でも貸出カウンターではない、本屋のレジだ。雑誌だけの小さな本屋が、入り口脇にあるのだ。レジと雑誌置き場も少し隔てられていて、レジの真ん前にあるのは白いベンチ。緑の鉢植。一面ガラス張りの外にも、草木がたくさん。外ではなく、温室が隣接しているかのよう。入り口を入っていった奥には、雑誌以外の本も置いてある本屋があるのだ。そして、私設ではない、もうひとつの図書館への裏口も見える。その、くすんだ黄緑色の絨毯の、古い図書館は、前に行ったことがあって、知っていた。
階段をのぼる。またカウンターがあったけど、たぶん、やっぱり貸出カウンターではない。その左奥にあったのが学習室だったから。右奥にはリクライニングチェアが並んでて、人がずらりと寝こけていた。カウンターの前でうろうろしている人もいたけど、なにやってるのかはわからない。
また階段をのぼる。のぼっているうちにどんどん階段の幅が狭くなってくる。壁がせまってくるわけではないのだ、歩くところだけが狭い。まだ、上に行かなければならないのに――。困った。