しつもんをおわらせたのです。

いや、終わらせたのは昨日だけど。

人間の恐怖心が生み出したものだから
怖くて当たり前じゃないでしょうか。

そ、そうっすね……。

闇を殺すには名前を与えてやればいい
そうすれば闇は闇でなくなる

幽霊は未知のものではあるけど、でも、闇ほど未知なわけじゃない、ってことだ。透けたり足がなかったり祟ったりするものである、ということは、「わかっている」。闇を闇のままにしておくよりは、幽霊だ、といってしまったほうが、こわくない。けれども、名前をつけてしまったせいで、幽霊という概念が持ち運び可能になってしまった、ともいえる。
けど、まあ、幽霊と妖怪は、違うよね。上の説明は、妖怪のほうがよく当てはまる。幽霊は死者の姿だから(いや、生霊かもしれないけど)、幽霊というだけじゃ済まない。固有の名前があるのである。それぞれ、別の固体で、別の来歴がある。妖怪だと、いわば、単細胞生物みたいなもの?だから、種族名だけで済むんだけど。


幽霊の実在については……うーん。

「でも死んだ人間にメッセージを届ける力はないと思うな」

と、霊感師の女の子が言うので、うん、そうか、という感じで。力があると思うのは、人の想いというのを過大評価しているのかな。
私はたぶん、魂というものの存在を、信じてはいるんだろうけど(信じていると解釈するほかない思考をする)、でも、死後に、そういうのが残ったとしても、やはり人格というのは肉体と不可分だと思うですよ。指の曲がり方とか、髪の伸び方とか、肌の焼け方とか、腰痛とか肩こりとか、爪の形とか、視力とか、そういうひとつひとつがぜんぶ、いまの人格につながっているんだと思う、ので、その肉体を失ったら――失って人格が続くとしても、急速に変貌するはずだ、と、考えます。だから、やっぱり、死んだ人には会えませんよ。
科学的にどうか、っていうのは、……うーむ、そうだな……心霊現象と言われる現象が、すべて科学で説明がつくとしても、霊(人間の核としての霊魂)の存在そのものは、否定が難しい……ですか? いや、証明する責務を持つのは霊が存在すると主張するほうだ、というのは、理解しているけど。存在しない派は、存在する派の証明を否定すればよくて、存在しないという証明をする必要はない。存在する、というほうが「ありそうにないこと」だから。……ってことは、ずっと決着がつかないってことじゃないかなあ……。そして、べつに決着がつかなくてもかまわない、ということでは。
個人的には、不吉なことや不運なことの理由を霊に求めるのは趣味ではありません。


ところで、今回引用した二作品には、「人間花火」という共通点があります。

※人間花火=花火といっしょに人間もうちあげる。たいてい死ぬのであまりマネしないように。昼間の方が美しい。(かもしれない)

あんまり美しくはないと思うな。