生業はなんですか?

「景気が悪い」ってどういうことなのか、よくわからん、って話を前にしましたが。
ふつうはだいたい、自分の属する業界で仕事が少ないことを言う。ような。あとは、ふだん買ってるものの値段が上がること(野菜以外で?)。
というわけで「景気が悪い」ようです。会社、まだ事が片付いたわけじゃないんですが、ばたばたしなれすぎたようで、表面上は落ち着いてます。
働くようになってから、しばらくしてわかったことですが、会社ってやつは、金がなくても存続するのですな。いや、まあ、払うとこには払わなきゃならんのですが、その調達のためにいくら借金してようがどうでもいい。儲かってなくてもいい。赤字でもいい。まあ、いくら借金しててもいいといっても、赤字でいいといっても、今後もずっと赤字であるような会社に金を貸すひとはおらんので、程度ってやつはあるんですが。でも、お金の流れってやつがしっかりできてれば、多少涸れててもなんとかなるらしい。
となるとかえって、会社が潰れるってのはどういう状態なんだろう、とか思う。まあ、誰も貸してくれなくなって、支払いを待ってくれなくなれば、潰れるのだろうけれど。
で、いざ潰れるってとき、その状況を正確に知っているのはどの範囲の人たちなんだろう、と。前に銀行の人が、銀行はいちばん(顧客である会社に)情報を隠されちゃうからぜんぜん知らない、って言ってましたが……。一般の従業員はたいてい知らないし、経理でも全貌は見えない、んだろう、ふつうは、たぶん。見せないようなシステムを組んでるんだろう。個人的には、自分の勤めてる会社がどれだけやばいのか、って、あんまり知りたくないですけど。……いやはやほんとうに。

「生業は何ですか?」

「借金だよ」

「先生、借金は職業ではありません。事業のための資金調達に借金することはありますが」

「何を言ってる? 借金を申し込むのも結構骨が折れるんだぞ。相手を納得させるために、いろいろと今後の計画をでっち上げなくてはならないし、時には実際に計画通りにことが進んでいることを実演してやらなくてはならない」