なぞ生物のいる風景


今年になってから、写真を見ながらおえかき練習してます。見たものをそのまま描けるようになれれば、べんりかなあ、と思って(……べんり?)。で、見たことのないものでも描けるようにならんかな、と。
はてなハイクのおえかきツールで描いてます。

バス停。

夕暮れどきの街灯。

用水路にかかる小橋。

水面に映るもの。

川沿いの道。

金沢21世紀美術館レアンドロのプール。


最初のうちは、たぶん、2時間とかかかってるんですが、最近は1時間前後です。ハイクでは長辺300ピクセルに縮小表示されるので、あんまりキャンバスを広げず、細部を描かず、という手抜き(……)をするようになって、はやくなった。
あと、色を探すのに固執しないこと。
前に、引用した文ですけど。

菊地 例えばトマトがサラダの上に載っていると、赤と緑が衝突してすごく綺麗に見えますよね。それぞれが単体であるより、なんとなく美味しそうに見える。ある時に気づいた仮説なんですけど、単体の色は色ではないのではないかと。あくまで組み合わせて初めて色が見えるような気がするんです。

単体の色は色ではない、っていうの、なんだかわかってきたような気がする。
対照的な色を組み合わせると引き立てあって綺麗に見える、というようなことではなく、単体の色などというものはない、というほうが近いんじゃないか、と。
いままで、モノの色っていうのは絶対的にあるもので、その色さえわかって塗ってしまえば、そのモノに見える、って思っていたような気がする。違うっていうのはいちおうわかってるんだけど、やっぱり色を探して、塗って、なんか違う……っていうのを繰り返してしまっていた。
けど、とりあえずの色をおいて、その周りもとりあえずで塗ってしまって……っていう繰り返しで、それなりに見えてしまうものらしい、というのが、わかってきた。人間の目がふだん色だと思っている色って、単体の色じゃなくて、色の変化というか、差分なのだと思う。白くなくても雪だとわかる、っていうのは、そういうことじゃないかと。

歩道橋から、雪の夜道。すごく描きにくかった。雪が街灯で黄色〜オレンジに染まって、しかもそれが影になってたりすると、もう何色を塗ればいいのかと。黒いのか灰色なのか、茶色か黄土色か。で、その雪が葉っぱに積もっているもんだから……。自分ではうまく描けなかったと思ったんだけど、グリーンスターもらったりして、あ、いいの?っていう感じであった。

雪原(というか田んぼ)と踏切。これは、雪はそれほど描きにくくなかったけど、むしろアスファルトが。

仙台駅東口アスファルトも、意外と色の変化が多彩というか……。黒だと思ってたけど、そう黒くもない。灰色かっていうと、灰色の濁りのある感じでもない。強い光があたると、ほとんど、赤としかいいようのない色になるんだけど、赤をべたっと塗ってしまうとぜんぜん違う。赤と黒の間というと、茶色になるわけですが……えっ、茶色なの? とか、いろいろ試した結果。元写真とはけっこう違う。
そういうわけで、いろんな色の集合を見て、それがひとつのモノなのだとわかるというのが、人間の(動物の?)目のすごさなのだな、と、わかった。でも、いろんな色を見て認識しているのに、それが意識の上にはのぼらない。目(と、その情報を処理する脳の部分)の精密さに比べて、意識はすごくおおざっぱだ。日常生活はそれで十分というか、それ以上意識するほうが無駄でむしろ不利になるところなんだろうけど、絵を描くときには齟齬となる。