雨の境界

朝は晴れてたけど、「昼過ぎから雨」の予報を信じて傘を持っていったら、ほんとうに帰るころにはすごい土砂降り。傘をさしてても、一分も歩けば、服もカバンも靴もびしょぬれになるだろうな、と思って、ふつうの土砂降りになるまで待ってからバス停に向かい、着いたところで、止んだ。着いたとたんに、止んだ……。というわけで、平常通りに歩いて帰ることに。たぶん、歩いているうちにどんどん降ってくるパターンだろうなー、とは思った。思ったんです。で、だんだん雨足が強くなっていき、ラスト五分ですごい土砂降り状態となり、けっきょく靴がびしょびしょです。
小康状態は三十分も保てないから、だいたい、そういうことになる。

むかし、「サザエさん」で、タラちゃんだったか、イクラちゃんだったか、「雨が降っているところと降っていないところの境界」を探そうとする話があったんです。で、両家で電話して、どっちかが降っててどっちかが降ってなかったら、その間に境界があるはずだから、それを見たい、って。でも親は雨のなか出かけさせたくないから、嘘をついたんだったと思う……。「サザエさん」でおぼえてる話って、たぶん、これだけです。
ひとりで歩いて観測しようとしても、場所が変化したから雨が止んだのか、時間経過にともなって止んだのか、区別はつかない。じゃあ複数人で連絡をとりあって観測すれば、ここが雨の境界だ!という地点があらわれるのか、といえば、そんなことはない。そもそもが、「雨が降っている」と「降っていない」の間があいまい、傘をさそうかどうか迷うような水分分布というものがあるからなんだろうけど、それをもって「雨の境界」がないというのは、なんだか、釈然としないものが……あるというほどでもないんだけど……どっち……。
まあ、ひっかかるところがあるからおぼえている話なんでしょう。