「建築に愛は必要ない。人生にもな」

珍しくアニメの話。「名探偵コナン」劇場版第一作。

名探偵コナン 時計じかけの摩天楼 [DVD]

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恋する乙女には敵わない、という話(←間違った要約)。
愛が要るかどうかはともかくとして、強いのであった。いつでもどこでもどんな状況でも好きな人さえいれば乙女モード発動である。君、そんな場合じゃないから!っていう。それなのに勝っちゃう、という。こわすぎる。
で、恋する乙女にあっさり負けてしまった犯人のひと。タイトルはそのひとの台詞である(……っていうとネタバレになっちゃうのかもしれないけど、犯人はわかるように描いているのだと思う)。自分の美学のために爆弾をばっかんばっかん爆発させるちょうめいわくなひとなのですが、そしてその美学はさっぱり理解も共感もしないのですが、自分の美学を至上のものとして行動するその価値観は好きである。めいわくだけど。近くにいてほしくないけど。好きは好き。
恋する乙女との違いは、自覚があるかないかってだけかもしれない。


デートに行くという娘を必死に止めようとする父親、それを「ちょっと反対されたけど」、と軽く言う娘。娘が無事で号泣する父親、その父をあきれたような目で見る娘。……という、おっちゃんと蘭ちゃんの父娘関係がみょうにリアル。
いや、蘭ちゃんはかなり父親といっしょに行動してますけど。それでもこの温度差か。


……ん、あれ? 主人公は?
……。あー、探偵はどこで迂遠な恨みをかっているかわかったもんではない、という話でもありますよ。そしてその復讐は周囲の人々にもおよぶのですよ。本人、そこをどう考えているのかな。