先日、R・A・スケルトン『図説 探検地図の歴史 大航海時代から極地探検まで』(ISBN:9784480099600)を読みまして。ヨーロッパ人、どんだけ日本に来たかったんだー!っていう……。東回りで行く、西回りで行く、北(北極圏)回りではどうか、南回りではどうか、と、たいへんに試行錯誤している。途中、まえは存在すら知られてなかったアメリカ大陸より情報量で逆転してないか、という様相に。まあ日本じゃなく中国が主目的だとは思いますけど。
石川県立美術館で、17、18世紀の蒔絵の硯箱など見てたら、これは当時のヨーロッパ人が見たら狂喜乱舞するやつー!と思ったんです。一見してきらびやかで、繊細で高度な技術力を感じさせ、見慣れぬ意匠が異国情緒をただよわせる……と、いう、逸品ですよ。硯なんて使わない、というか、用途もわからないだろうってところがまたいい! これ、タイムスリップしてヨーロッパで売るとしたらおいくらまんえんになるかしら、と想像しようにも、まったくわからぬ。オランダ商人はなにを売りにきてなにを買っていったのか? 陶磁器は人気だっただろうけども。

 大英博物館柿右衛門の象は十七世紀の全世界の物語を語る。日本の職人は外界から遮断されていても、中国と朝鮮から拝借した技術を使って、インドの動物の置物をつくり、イギリスに住む買い手の好みに合わせることができたのであり、それがオランダ人によって、本当の意味で最初の世界規模の貿易会社を通じて仲介されていたのである。
ニール・マクレガー『100のモノが語る世界の歴史3 近代への道』(ISBN:9784480015532


↑見慣れぬ意匠。
ちなみに金沢21世紀美術館と違って県立美術館にはほとんど外国人こない。日本人も、お若い人はあんまりこない……。
ついでにいうと、私はそもそも、箱が、好き! ときめく! 薬箱みたいな、大きさの違う箱とか引き出しとかが一体となって持ち手のある大きい箱にちゃん、と納まっていたりするのが、たいへんよろしい。まえに、箱の絵が描いてある箱を見ましたが、作者は同志だと思った。