「この人間は妄想を垂れ流している」とこの機械は判定した。

ネットの速度が無限になって、
HDDの容量が無限になって、
CPUの性能が無限になって、
あなたがGoogleだったら、なにをしますか? (あなたがはてなだったら、でも可)

自分で考えたんじゃないけどどうせ質問者にゃわからんだろ、みたいな回答はご遠慮ください。

ぱっと思いついたのは「神様になってもらう」。最近これ読んだので。

「それが可能だから、ぼくは“神様”たりえるんだけどね。ぼくはすべてのものごとの原因なんだ。それ以上は決して遡れない。ぼくが存在する以前という状況は存在しえないからね。きみたちがそういった存在を素直に理解できないのは、永遠という捕らえどころのない感覚に対する恐怖心が邪魔をしているからだよ。人間はたかだか百年生きたらおめでたいくらいの有限の存在だろ。人類には数万年の歴史があるけど、有限な存在をいくら積み重ねたところで決して無限には至らない。だから永遠など存在しなくて、何事にもきっと始まりと終わり、原因と結果があるはずだと思いたがっているんだ。つまりこの世界が誕生した原因があるはずだとね。でも実際ぼくは過去にも未来にも無限で永遠な存在なんだ。それゆえぼくは始まりと終わりのない永遠に退屈し続けなければならない。」

 そこで鈴木君はくすりと微笑むと、
「もっとも永遠に対する恐怖心を人類に刷り込んでおいたのはぼく自身だから、きみが疑うのも仕方がないことだけどね。三億年前にアルゴル星系の惑星人を創るときに、試しに永遠への恐怖を取り除いてみたことがあるんだ。するとあっと云う間に絶滅しちゃったよ。みんな子供を産まなくなったんだ。あれはあっけなかったな。だからそれ以後は知的生命体には永遠への恐怖、つまり始まりと終わりを認識する思考を必ず植えつけてあるんだよ。」

この「鈴木君」は神様(仮)。
たんに「無限」からの連想で。この問題の設定では無限なのはGoogleだけではないはずなので、不可。第一、「なってもらう」って、その実体はなんだろう。機械それ自体? それはご神体であって神様そのものではないような。
そもそもGoogleぽくないし、はてなっぽくもないな。そんなことをGoogleはてながやったらユーザは確実に逃げる。私だって逃げる。……Google様は現時点ですでに神様ともいえる。ただ、いまのGoogle様は全知全能の神様、支配者としての神様なんですよ。「無限」の神様というのはそれとは別種なものに思う。だけど、「無限」とか「永遠」とか、ほとんどの人間には想像も理解もできてないと思うので(私はさっぱりわからないんですよ……)、そういう存在に聖性を感じることができるか、……どうだろう(ちなみにコンピュータの神様だったかネット上の神様だったかの話は、質問者のmichiakiさんがいつだったか日記で書いてたはず)。
その次に考えたのは、「むこうに質問してもらう」ということ。そんなすごいものに何をどう要求すればいいのかわからなくなったので、とりあえずそちらからアクションして?と。で、質問にこちらが答えていくうちに学習してキャラクタが形作られる……育成ゲーム? ……おもしろくない。ただ、自分の嗜好を反映したエージェントができるので、役には立つ? でもそれはやっぱりおもしろくないのだ。それはそのときの嗜好にすぎないから。……てか別に質問させる必要はないですよね、ふつうに検索して、その検索結果からどういうのを選ぶのか、どういうのをブックマークするのかっていう蓄積があればいいんだから。
それと逆のこともちょっと考えた。人間のすべてを記録する、という案がありましたけど、私は忘れることは忘れたままにしておけばいいのだー、と思っているので、そういうのは嫌だな、と(現実はそういう方向に進んでいるわけですが)。ただ、それも利用できるっていうか、遊べるかなー、と思ったのが、「自分と逆の人格をつくる」。自分の記録すべてと、いまおぼえていることの差分をとって、自分がおぼえていないことだけをおぼえている人格をつくる。というか、自分が忘れてしまうようなことだけをおぼえているような人格とはどういうものかの探究? 何いってんだかわからなくなってきたな、しかしそれってなんの役に立つの?という点で、やっぱりGoogleぽくないし、はてなっぽくもないのでした。でもちょっとおもしろい。気にくわないだろーけど、自分とまったく同じ人格よりはいいような気がする。
しかし、こういうのはコンピュータが自然言語を理解(していると人間に思わせるようにふるまうことが)できるというのが前提なんですけど、いまそういうのができてないのはCPUやメモリの問題ではないはず……なので、この設定では条件が足りないような。機械翻訳も同様に。……でも、「無限」までいっちゃえば可能なのかな……。「ふるまう」のなら可能なのかも。仮になんか間違ってたとしても支障はないし(そうか?)。
Googleぽいとか、はてなっぽいとかいう言葉をどう使っているかというと、……「実用的」? お遊びの部分っていうか、楽しむ方法はユーザが勝手に考える、みたいな。勝手に考え甲斐がある実用的っぽさ、っていうか、そんな感じで。詳しくないのでそれこそ勝手なイメージですが。
さて、「無限」という設定をもう少し考えてみよう。……ああ、もしかして機械翻訳は実用上は可能なのか。すべてのあり得る文章を、すべての言語と対応させる。すべてのあり得る文章の数というのがすでに無限なのですが、そこはとりあえず文章の長さを制限しましょう。で、「私には妄想癖があります」という日本(の共通)語を、英語・フランス語・ドイツ語・中国語・……方言も含めてすべての言語の表現と対応させて記憶する。世界中の言語数は、どうも数えにくいらしいのですけど五千とか七千とか八千とか聞いたことがある。方言も含めるともっとだな、それを、すべての組み合わせで、ある長さまでのすべての文章を記憶させる。この数は有限です、なにしろ入力するのは人間だから。……おっそろしいー。でも、そうやって記憶しておくと「翻訳」っていうのは組み合わせを探すだけで済む。かんたん。単語は日々増えていくから日々入力しなければならないのですけどね。あと、文法的に正しくなければならない、言い間違いや書き間違いに対応できない。それに、同じ文章でも意味が違ったりすることがあるのです――Time flies like an arrow.――光陰矢のごとし、ですけど、時蝿は矢印が好き、とも言えますよね、いや、ふつう言わないのですけど、言語の解釈の難しさを表す例文としてもうすでに存在しちゃってる文章なんです、これ。つまり一対一対応にならないのです。だからやっぱりこの方法だけじゃ無理。ほかに「条件」が必要。……ああよかった、無理で。だってそんな力技、美しくないじゃないですか。
で、みんなが「無限」なものを持つということ。ネット上にあるものはデータの管理者によっていつ削除されるかわからないので、やっぱりあるうちにとっておけ、ということになって、つまり何がいつ必要になるのかわからないのだからネット上に一度公開されたものはすべてとっておけ、ということになって、みんなにそうやられちゃうと事実上、データの修正というものが難しくなるので、公開にかかるコストが高くなる。なので、大企業やすごく志の高い人、あるいは後先考えない中傷をする人しかネットで発言しなくなる。……極端だな、そんなことにはならないと思いますけど……。ってか、この想定はあんまり「無限」と関係ないような気もしますよ。「無限」は有限の延長上にはないはずなんだ……。
……さて。私は小説やまんがが好きですけど、ネット上に作品が「無限」に出回って、かんたんに探せるしかんたんに読めるようになりますよ〜、とか言われても、たいして嬉しくないですね。だって、一生かかっても読みきれないほどの作品はもうすでに近くにあるので。「量」的な「無限」には、価値がない。いま見えるだけの有限の量でもういっぱいいっぱいですから。つまりこっちの情報処理がおいつかない。じゃあ、脳の能力も飛躍的に向上できるとしたら? ……ちょっと想像できないー、そうしたいのかどうかもわかりません。
あと、仮想現実、ヴァーチャルリアリティというもの。昔はそういうものの実現を楽しみにしてたのですけど、いつのまにか興味がなくなってました。どうしてなのか自分でもわからない。けっきょく、私がいちばん集中できるのは文章を読むときだということですか。どんなに「リアル」につくられても、私にはそのリアルさがわからないかもしれない……。


……長々と書いて、結論はどこ? …………だから「妄想垂れ流し」だって見出しに入れたんですってー……。すみませんー……。