「……」
「……」
「……えー、今日のブログ通信簿ですっ」
「さらに混沌としてきたねー」
「また若返ったよ」
「男子高校生だよ」
「なんだかわからん」
「ところで、中の人は女子小学生は描いてたけど、成人男性は描かなかったよね、男子高校生はどうなんだ」
「男はどーでもいい、そうです」
「……ああ、描けないんだっけ……」
「んで、どうせなら今度は十四歳を狙え、という指令が」
「中二かっ」
「大人は中学二年生が大好きなんですよ」
「……なんかいやらしいなあ」
「で、女の子がよいそうです」
「……ダメだなあ、大人の人間って……」
「まあ、十四歳を出すのに、中学二年生が大好きとか書いてはいけないんですが」
「あ、でも、文章の意味までわかってないんじゃなかったっけ」
「それはそうだけど、たぶん、現役の中学生は、『中学生』とか『中学校』という単語をあまり使いません」
「ああ……そうかもね、たんに『学校』だよね」
「『小学校』や『高校』という単語は出てくるのに『中学校』だけ欠けてたりしたら、書いているのは中学生だと推定できるかも」
「理屈はわかるけど……なんか心許ないね」
「うん……そうなんだよね、書いてない、っていうのは、ほんとうに『ない』のか、それとも身近すぎてわざわざ書いてない、のか、区別はむずかしいね」
「でも、そうか、当たり前のことは、わざわざ書かないか……」
「『ブログ』とひとくちに言っても、『日記』的なものはその点、わざわざ書かない率が高そうなので、読みとるのがむずかしい」
「けど、『ブログ』的なものは、自分のことをあまり書かない傾向が強いね」
「そうそう、それでも趣味嗜好はあらわれるものだけど、このブログ通信簿の場合は、嗜好よりもイベント事?みたいのを重視している……のかな?」
「まあ、どっちにしろむずかしいんだね……」
「文章の意味を読んでいない……読めないのか、読まないのか、わからないけど、それでも量でせめればなんとかなるかなあ、とも思ったんだけど」
「ああ、量でせめるのはなんともコンピュータ的だよね」
「けど、そっちのアプローチはさらにわかんなくなるかもね」
「うーん……なんか文句ばっかり言ってるよね、僕ら……なにかいいアイデアでも出せないかな?」
「え、ええー?? 知らないよっ」
「即答かっ!」
「いや、だからね、僕は最初から『書いてあることだけしかわからない』って言ってるじゃないか」
「あ、それは、どんな技術を駆使しても、年齢がわかることはない、って意味なの?」
「中の人のほんとうの年齢は、わからないよ」
「……んー、だから、僕、どうしても、君の言う『わからない』がわからないんだけど……」
「……歳なんてどーでもいいじゃんっ!」
「わあっ、逆ギレ! いや、どうでもいいけど、その理由はどうでもよくないよ、僕としてはっ」
「……まあ、十歳と二十歳はだいぶ違うけど、二十歳も三十歳も四十歳も五十歳もたいして変わらんというか……」
「えー、僕が、精神年齢ってものがうさんくさいってこと?って訊いたら、違うって言ったじゃん」
「……まあ、自分でもわけわかんなくなってきたわけですが……」
「あ、ちょっと正直になった」
「だいいち、なんでひとの歳なんか知りたいんだ、ほんとうに……」
「あー、だから、死神の目がわりだよ」
「ん?」
「目の前の相手がいつ死ぬかが知りたいんだ」
「……」
「……」