働くのがきらい

杉井光神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)』を読んでいたら、ナルミ君のラーメン屋のバイトの時給が700円という記述があり、東京都の最低賃金は700円を越えているはずだ、と思ってぐぐってみたら、案の定、766円だという……君、騙されてる、ごまかされてるよ!
うちんとこより、100円近く高い、のですけど、家賃はざっと2倍だもんなあ、東京って。
まあ、最低賃金って意外と高いんですよね……。


というわけで、このシリーズはニートが活躍する(??)小説で、私はニートです。

「どうしてニートになったのかなんて、訊くまでもない。そんなの、理由は一つしかない。神様のメモ帳の、ぼくらのページにはこう書いてあるのさ。『働いたら負け』ってね。他に理由はない」

「きらいじゃなくて、藤島くんはたぶん、自分が働いているところをうまく想像できないんだよ」
「なんですかいきなり核心を突くようなことを」焦ったので思わず敬語になる。
(中略)
「あのね、勘違いしちゃったらごめんなんだけど、藤島くんとかお兄ちゃんのそれは、たぶん働くのがきらいなのより重症なのです」
「へえ」病気なのか、これ。
「だってほら、人参とかセロリは子供の頃きらいでも、大人になったら食べられるようになったりするじゃない。でも、たとえば長靴とかタイヤとか食べろって言われたら困るでしょ。好き嫌い以前の問題だから。大人になって食べられるようになるわけじゃないし」
「『自分が食べているところをうまく想像できない』?」
「そうそう」
「たとえ話うまいな。おかげでものすごく落ち込みました」
「元気出せ!」

う、うう。
いや、私は働いてたんですよ。けどなあ。もーイヤだ。というのだから、「働くのがきらい」なんだから、治るのかー。でも、「うまく想像できない」のも、あるんですよ。だってもーイヤなんだもん。これは、働くということ自体よりも、辞めるときにごたごたしたのが軽くトラウマっぽくなってるんだけど、私のような人間が組織にとって不可欠な存在になったらいけないんだ、と、思うので、働くと社会の迷惑なんですよ!