怪談的情景




しかしまあ、なんか出てもおかしかないなあ、とは思ってたけど、本気でなんか出るかもとはたぶん思ってなかった。という精神状態でほんとになんか出たらどういう反応をするのか興味深かったのでなんか出たらよかったのに、なんも出ませんでした。ざんねん……。
前に、「幽霊はなんでこわいの?」って疑問を投げたら、「こわいのが幽霊だよ」って答えを返されて納得したことがあって、それでいったら、いまの私にはなにが「幽霊に見える」んだろう、って、考える。白装束の女の人って、多くの現代人にとってはもはやギャグに近くないか?って思うんですけど。私だけじゃなく。恐怖スイッチと笑いスイッチってわりと近いとこにある。でも、いまもお棺に入れるときは白装束か……。落ち武者系はこわいと思うけど、それって、幽霊的なこわさなのかびみょうなところ。火の玉っぽいのを見たら、なんだろうと思ってうかうかと近づくと思います。じゃあ、自分の知り合いで鬼籍に入っている具体的な誰かだったらさすがにこわいんではないか、……って、うん、私、あんまり人の顔おぼえてない……(←違うところに問題がある)。
なんだかなあ。
しかし、小さい頃にはしごくまじめにいろいろこわかったはずなのである。
あ、ゆうべ、外からノックっぽい音がしてて、それはちょっとこわかった。うちのドアじゃない。音源がわからないんだけど、手でノックしてるようでもあり、水滴がトタンを叩くようでもあり。でも水滴にしては音が大きいような、そして二回ずつ、というのが何回か続くのはどうしたことか、と。これは、幽霊的こわさかな。見えないほうがこわいのか……。