ロボ

ロボットが感情を持ったら、私たちはつまらない雑用ばかりさせるのは申し訳ないと思ってしまい、ロボットが部屋に入る前に掃除を始め、散らかっていてごめんなさいと謝ったりするのだろうか。

マイケル・S・ガザニガ『人間とはなにか 下 脳が明かす「人間らしさ」の起源』(ISBN:9784480098528



ロボットが感情を持ったとして、――感情を持っているかのような振る舞いをするようになったとして、それでもロボットに命令するためには、貴族的図太さが必要だよな、となると、なんとなく、時代が後退するかのように思える。後退してはいけないような気がするから、ロボットにも人権(ロボット権?)が必要な気がしてくる。

君たちが世界の発展のために、国のためにと主張する科学という新しき力は、この先、争い事だけではなく、なにより人々の娯楽のために使われることとなるだろう。いま、貴族だけの特権である娯楽のための生活は、庶民のものとなり、そのとき科学は彼らに、貴族の如き快楽と、同等の、死にも近い退屈をもたらすことだろう。

桜庭一樹GOSICKⅤ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋―』(ISBN:9784829163283