回る世界

「『鷹崎はあたしの気持ち全然わかってない!!』――――――って
 そしたらあいつ何て言ったと思う?」

「何言われたんだ?」

「『世界がお前中心に回ってると思うなよ!!』」

この常套句はいつから使われるようになったんだろう、と、ふと不思議に思う。
天動説が地動説にひっくりかえされた、という歴史をふまえた表現じゃないっすか、これ? ついつい自分を中心に考えちゃうだろうけど、じつは違うんだぜ、という。というか、回る、っていうと、回るものはまるい、って感じがしませんか? ってなると、大地がまるいというのも前提かな。少なくとも明治以降?(……そういえば、地球はまるくない、大地は平らだ、と信じている人を知っている……。)
一方で、輪廻、という、空間じゃなくて、時間が回る、という考え方は、むかしからあったわけだ。なので、世界が回る、という感覚はやっぱり古くからあるのかもしれない。けど、時間的に回る世界は、自分が中心なのか、どうか……うーん、どっちかというと、俯瞰する視点かなあ。
――私は世界が自分を中心に回っていると思ってますが! 思ってる、っていうか、だって、自分を中心に回ってるし! むしろ回すよ、ぐるぐると!