時差

時差がある、ということが知られだしたのはいつごろだろうと、ふと疑問が浮かぶ。地動説から導き出されることではあるが、その地動説自体がどれだけ知られていたんだろう、と。もしかして地動説より時差の存在のほうがはやく知られていたりして。どうなんだ。通信速度、あるいは移動速度がはやくなければ、問題にならないことで、実際、世界標準時の必要性は、鉄道の発達からもたらされたものらしいですが。そこで英国基準になることに最後まで反発したのがフランス、ってところが……この二国の仲の悪さは、ひとごとだと思ってるとなかなかに微笑ましいものがあります……いや、まあ、隣接する国がかつてケンカしたことないってのはほとんどないから(たぶん)、気にするな!(なにが)
で、どっからそんな疑問が、といえば、あきづき空太赤髪の白雪姫 8 (花とゆめCOMICS)』を読んでいたときに。架空の世界の架空の国の話でなぜ、と。いや、隣国の王子についてその側近と噂話をしていただけなんですけど。

「さて…今はグースカと寝こけておられますよ 多分」

これだけ。
隣国で何時間も時差ができるほどの大国じゃないと思う……と、いうのは、長距離移動が馬、馬車、船、あたりだからなんだけど、考えてみりゃ根拠にならんですね、鉄道や飛行機がない時代から大国は存在していたな。
いや、でも大国じゃないと思うんだけど。なんとなく。……なんとなく……。
あえていえば、国力が同等っぽくて、文化的に隔たっていないから、かな。他にも似たような規模で似たような文化の国々があって、そのふたつ、という感じがする。そのわりには他の国は出てこないけど。いや、そこまで舞台を広げる必要性はないんだろう。
この二国も戦争したことがあるのかなあ。
……戦争以外に国境線を定める方法はあるのか?
…………とはいえ、国境を定める必要がある、と考えてしまうのは、近代国家の考え方では?
……………………なんでこんな話に?
とりあえず現在のクラリネスとタンバルンは友好国ですよ。しかし考えてみれば、主人公の白雪(タイトルは姫だけど姫じゃないです)が、二国の亀裂のきっかけになっておかしくない設定なんだよねえ。ジャンルがそういう方面じゃなくてよかったな! ジャンルが、というより、白雪のキャラなのか。腹が据わっているというか、ブレない。王子を叱り飛ばすしな! で、叱り飛ばされたほうのラジ王子がどんどんおもしろいひとになってゆくのがおもしろい。はじめから楽しいっちゃ楽しいひとだったけど。
その彼が白雪に書いた手紙がとてもよかった。

白雪どのは 私達王族とつながりを持つのに少々身軽すぎる事もあるだろう
君が持てる盾としてひとつ贈る
持っていて損のないものは持っていればいい
私もそうする