世界の一部

「毎日毎日 同じようなことをして 誰に褒められるでもなく 品物や名が後の世に残る訳でもない
 ……言ってて悲しくなってきたな」

「俺の友人が言うには それらもまた 世界の一部なんだそうですよ」

……「俺はただの車掌だ」って、頑固に自分の職分を守って、当たり前に仕事をこなして、電車の中しか知らないのに、広い世界を想像してちゃんとここがつながっているんだって信じてるのって、かっこいいな。「ただの」って、難しいことだ。
英さんがつなげている縁ってものが、読者からは見えるけれど、本人は、ほんとうに知らないんだものな。俯瞰すれば見えるいろんなことが、ひとりの人間としては、見えない……それは、当然、なんだけれど。

「自分は不幸な人だって思ってるより これから幸せになる人だって思ってる方が元気が出るでしょう?」