たびにっき・そのはち

仙台文学館です。

これまた、建物を見に行ったのですけど、写真はうまく撮れなかった、という……そんなんばっかだな。ガラスは、自分が映っちゃうのが、どうにも。消えてなくなりたい。


松本清張展をやってました。じつは一作も読んだことないんですよね……。「砂の器」は、映画を観たような気がする。学校の映画鑑賞会で。
でもおもしろかったです。むしろ、作品を知らないから、いちいち作家の人生と作品をつなぎ合わせないですんで、よかったとすら思った。
40歳を過ぎてから小説家になっているんですけど、それまで、家族を養いながらも、独学で、いろいろ勉強していた……っていう、すごいエネルギーのある、努力の人、という描かれ方をしていて……なんか学歴コンプレックスがあったらしい。学歴が低いってほどでもなくて、当時の標準らしいんだけど、自分ではすっごく気にしてて、勉強してた。
で、たしかにすっごいエネルギーだなあ、と思うんだけど、でも、本人は、自分の好きなことをやってたんだよなあ、って。勉強家だから、努力を実らせたから、偉い、っていうんじゃなくて、自分の好きなことを、まじめに、一生懸命、貫いたから、えらい人なんだと思うんだ……。
けど、家族を養う責任感と、自分のやりたいことをやって小説家なんていう世間的にはヤクザな商売に就くってところが、すごく折り合ってなくて、そこがいちばん興味深い。結果的にはとても売れましたけど、はじめるときにはそれはわかんないじゃないですか。葛藤や迷いだって、あったはずだと思うんだけど……。